自然栽培米とは?田んぼの工夫・品種・玄米のおいしい炊き方

当サイトに掲載している自然栽培の農家さんのうち、もっとも多いのがお米をつくる農家さんです。田んぼでの手間のかけ方から、品種、届いたお米の炊き方まで、順を追って見ていきます。
Summary
- 自然栽培米は、一般に農薬も肥料も使わずに育てたお米。除草剤も使わないため、草との付き合い方が大きなテーマになる。
- 種もみのお湯での消毒、機械や手による除草、苗を広い間隔で植えるなど、さまざまな工夫がある。
- ササニシキやコシヒカリ、朝日、亀の尾など、昔からの品種を選ぶ農家さんも。
- 玄米はしっかり浸水させるのがおいしく炊くコツ。
自然栽培米とは
自然栽培米とは、田んぼに農薬(除草剤を含む)や肥料を使わずに育てたお米のことです。自然栽培そのものに法律上の定義はないため、細かな内容は農家さんによって異なります。たとえば、収穫後の稲わらを田んぼに戻すかどうか、米ぬかを除草に使うかどうかなどは、それぞれの考え方で判断されています。
ほかの栽培方法との違いは自然栽培と有機栽培の違いで、肥料なしで稲が育つ仕組みは肥料なしで作物が育つのはなぜ?で解説しています。
田んぼでの工夫
種もみの準備:お湯で消毒する
稲の病気の中には、種もみに付いた病原菌から広がるものがあります。一般的な栽培では薬剤で種もみを消毒することがありますが、自然栽培や有機栽培では、60℃前後のお湯に種もみを短時間浸す「温湯消毒(おんとうしょうどく)」がよく使われます。
苗づくりと田植え
苗をじっくり育て、株と株の間隔を広めにとって植える「疎植(そしょく)」を取り入れる農家さんが多くいます。株のまわりに風と光が通りやすくなり、稲一株一株がしっかり育つことをねらっています。
いちばんの課題は「草」
除草剤を使わない田んぼでは、稲と一緒に草も育ちます。草に養分や光を奪われると収量が大きく下がるため、自然栽培の米づくりでは除草が大きな仕事です。
- 機械除草:田植え後、専用の除草機で株の間を何度もかき混ぜる
- 水の管理:水を深めに張って、草が生えにくい環境をつくる
- 手作業:機械で取り切れない草を、田んぼに入って手で取る
夏の暑い時期に田んぼを歩き回る除草は重労働です。自然栽培米の価格には、こうした手間も含まれています。
田んぼの生きもの
農薬を使わない田んぼでは、カエルやトンボ、クモなど、たくさんの生きものが見られるようになったと話す農家さんが多くいます。生きものが増えることを、田んぼの環境の変化を感じる目安にしている人もいます。
自然栽培で育てられる主な品種
自然栽培の農家さんは、肥料が少ない環境でも育ちやすい品種や、昔ながらの品種を選ぶことがあります。当サイトの掲載農家さんで見られる品種の例です。
| 品種 | 特徴 |
|---|---|
| ササニシキ | 宮城県で育成。粘りが控えめで、あっさりとした食味。寿司米としても人気 |
| コシヒカリ | 福井県で育成され、新潟県などで広く栽培される代表的な品種。粘りと甘みが特徴 |
| ヒノヒカリ | 九州など西日本で広く栽培される品種 |
| 朝日 | 岡山県で長く栽培されてきた品種。コシヒカリなどの祖先にあたる「旭」の系統 |
| 亀の尾 | 明治時代に山形県で見いだされた品種。多くの品種のルーツとして知られる |
| 古代米(黒米・赤米など) | 色素を持つ米。白米に混ぜて炊くことが多い |
玄米・分づき米・白米の選び方
- 玄米:もみ殻だけを取り除いた状態。ぬか層と胚芽が残り、噛みごたえがある
- 分づき米:ぬか層を一部だけ削ったもの(3分づき、5分づき、7分づきなど)。玄米と白米の中間の食べやすさ
- 白米:ぬか層と胚芽を取り除いたもの。やわらかく、食べ慣れた食感
ぬか層まで食べる玄米や分づき米は、農薬を使っていないお米を選びたい、という理由で自然栽培米を選ぶ人も多くいます。はじめての方は、食べやすい分づき米から試してみるのもおすすめです。
おいしい炊き方
白米・分づき米
- やさしく研ぐ:最初の水はすぐに捨て、その後は軽くかき混ぜるように2〜3回すすぐ
- しっかり浸水:夏は30分、冬は1時間ほどが目安。分づき米は少し長めに
- 水加減:炊飯器の目盛りを基本に、好みで調整。分づき米はやや多めに
- 炊き上がったらほぐす:蒸らしたあと、しゃもじで底から大きく混ぜて余分な水分を飛ばす
玄米
- 表面を洗う:ごみを取り除くように、やさしくこすり洗いする
- 長めに浸水:6時間〜一晩が目安。暑い時期は冷蔵庫で浸水させると安心
- 水加減:お米の量の1.2〜1.5倍程度。炊飯器に玄米モードがあれば活用する
- ひとつまみの塩:好みで少量の塩を加えると、味がまとまりやすくなる
圧力鍋を使うと、もっちりとした食感に炊き上がります。
お米の保存方法
- 密閉できる容器に移し、直射日光や高温多湿の場所を避ける
- 気温が25℃を超えるような季節は、野菜室に移すと味が落ちにくい
- 白米は精米してから時間がたつと風味が落ちやすいので、早めに食べきる
- 玄米で保存して、食べる分だけ精米するのもおすすめ
自然栽培米を買うには
自然栽培米は生産量が限られているため、多くの農家さんが直販で販売しています。新米の時期に年間予約を受け付けたり、玄米・分づき・白米から選べたりと、農家さんごとにさまざまな売り方があります。
当サイトでは、お米を育てる自然栽培の農家さんを一覧で紹介しています。買い方のポイントは自然栽培の野菜・お米の買い方ガイドもあわせてご覧ください。